暑い季節だけでなく、実は寒い季節ほど、水分補給を意識的に
しっかり行なう必要があります。
寒いとトイレが近くなってしまったり、
汗をたくさんかいていないから平気だと感じてしまい、
水分補給が少なくなりがちです。
特に、運動をしている際に、寒いから平気だと思っていると、
水分摂取量が減ったり、体内に熱がこもってしまったり、
熱中症に繋がる原因となります。
寒いからといって、衣服を着込んで長時間外で歩いた際などは
特に注意が必要です。
冬場に起きる水分補給の事故例
先日、エアロビクスのレッスンに参加されていた方が、
急に気分が悪くなりその場に倒れこんでしまいました。
本人は大丈夫だと言っておりましたが、意識が朦朧としており、
救急車を要請して、救急搬送されておりました。
診断は脱水症状からの軽度の熱中症ということでした。
この12月の寒い冬の時季に熱中症です。
熱中症と言うと、どうしても夏場に起こるとものだと
勝手に思い込んでいますが、
実際は冬場のスポーツクラブなどでは良くある話です。
夏場は誰でも体感できるほど、汗をかきます。
発汗していると、水分補給をしないといけないと思い
自然と水分をとりやすくなります。
しかも、少し体調が悪くなると、自分自身で運動を制限し始めます。
もちろん、それでも熱中症になる方は非常に多いですが。
しかし、冬場に関しては水分補給率が減少します。
汗をあまりかかない季節であっても、運動をする際は、
屋内、屋外関係なく発汗状態には注意することが必要です。
運動時の適切な水分補給
運動時の適切な水分補給と熱中症予防についてご説明します。
まず、水分補給が必要な理由
人の身体は約60%が水分で構成されております。
「人間は水でできている」と言っても過言ではありません。
体温調節や、酸素や栄養素を細胞に運ぶ役割等がある水分ですが、
成人では安静時でも毎日約2,000~2,500mlの水分を
出し入れしていると言われております。
すごい量ですよね。2リットルペットボトル1本以上です。
その為、飲料や食事からそれだけの水分を補給する必要があります。
気温が高かったり、長時間の運動をしたりすると発汗による水分の損失が
大きくなりますので、補給しなければならない水分量は更に増加いたします。
のどが渇いたと自覚してからでは遅いのです。
「のどが渇いた」と感じた時では遅く、既に身体は軽度の脱水状態になっています。
その為、体温及び心拍数の上昇や、パフォーマンスの低下が始まっているはずです。
更に、水分量の減少により体重が2%以上減少してしまうと
「めまい」や「吐き気」等により、休憩を取る必要がでてきます。
熱中症について
脱水状態での運動は、熱中症も引き起こしやすくなります。
熱中症は高温環境下で、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、
体内の調整機能が破綻するなどして、発症する傷害の総称です。
人間は36~37℃の範囲に身体の温度を調節して生きている恒温動物です。
その為、体温が上昇し過ぎないよう体水分を原料に発汗し、
汗の蒸発によって体温を低下させます。
しかし、脱水状態では体温の調節がうまくいかずに
身体に熱がこもりやすくなります。
熱中症を予防するためにも小まめな水分補給が必要不可欠となります。
適切な水分補給で暑い時期の運動を安全かつ効果的におこない、
冬の寒い季節の屋内運動を油断をしない。
水を飲むタイミングと量のポイント
①運動前
運動開始30分前くらいに250~500mlを何回かに分けて飲む
②運動中
20分~30分毎に一口~200ml程度までを飲む
③運動後
体重減少分を補う量を運動直後から就寝前までに何回かに分けて飲む
①②③を参考に、水分補給を意識しながら運動しましょう。
特に運動中の小まめな水分補給は重要ですので、発汗で失われた塩分や、
エネルギーとなる糖分を含んだものを飲みましょう。
また、運動直後に多量の水分補給をしてしまうと吸収に時間がかかるうえ、
食欲不振の原因にも繋がります。
体重減少分を、何回かに分けて補給するように心がけましょう。
運動中に失われた水分量は、運動前後の体重測定から確認できます。
運動前後の体重を比較して、失われた水分量が
体重の2%を超えないようにしましょう。
最後に、運動後に体重が減っているのは、体脂肪ではなく水分量です。
体重が減って「痩せた!」と勘違いしないように注意しましょう。
まとめ
本当に寒い季節になってまいりました。
寒いと身体を動かさなくなってきますが、水分補給をしっかりとしながら
無理のない程度に運動して、健康を維持していきましょう。
今回は、冬場に関連して水分補給の重要性を書かせていただきました
昨今の異常気象では、気温差が激しかったり身体への負担が大きいのが現実です。
特に身の回りにいる、未就学児や子ども、高齢者に対しては
積極的に水分補給を促すなど注意が必要です。
以上、簡単にはなりますが、覚えておいて損はない情報です。